京都には数えきれないほどの神社仏閣がありますが、「商売繁盛」を願うなら外せない神社があります。祇園の南側、四条通からほど近い場所にひっそりと、しかし確かな存在感を放つ「京都ゑびす神社」です。
「えべっさんにお参りしてきた」という会話が、毎年1月になると京都の街のあちこちで聞こえてきます。地元の人間にとって、これは特別な行事のひとつ。観光ガイドには「日本三大えびすのひとつ」と紹介されていますが、実際に訪れてみると、その賑わいや雰囲気は文字の情報をはるかに超えています。
「京都に恵比寿(えびす)の神社があるの?」「十日戎って大阪だけじゃないの?」と思っている方もいるかもしれません。京都ゑびす神社は、なぜか大阪の今宮戎や兵庫の西宮神社ほど全国的な知名度がないのですが、その歴史と格式はまったく引けを取りません。
この記事では、京都ゑびす神社の歴史や境内の見どころ、独特の参拝作法から年間行事、授与品の種類と値段、アクセス方法まで、初めて訪れる方にも分かりやすくご紹介します。
地元在住者として「何度も訪れてきた場所」だからこそお伝えできる、観光ガイドには載らない楽しみ方も交えながら解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
結論:恵比寿(えびす)の聖地・京都ゑびす神社は商売繁盛を願うすべての人が訪れるべき神社
日本三大えびすのひとつとして知られる由緒ある神社
日本全国に「えびす神社」と名のつく社はいくつもありますが、その中でも特に格式が高いとされているのが「日本三大えびす」と呼ばれる三社です。西宮神社(兵庫県西宮市)、今宮戎神社(大阪市)、そして京都ゑびす神社の三社がそれにあたります。
ただし「日本三大えびす」の定義は地域によって諸説あり、大阪の今宮戎の代わりに美保神社(島根県)を挙げることもあります。京都ゑびす神社はその中でも「えびす信仰発祥の地」に最も近い存在として、商売人たちの間で古くから深く信仰されてきました。
創建は建仁2年(1202年)とされており、800年以上の歴史を持ちます。平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、京都の商業を支える神様として根づいてきた場所です。
「えべっさん」の愛称で地元に親しまれる存在
「えべっさん」という愛称、関西圏以外の方には少し聞き慣れないかもしれません。「えびすさん」がなまったもので、関西の商人文化のなかで親しみを込めて呼ばれるようになった呼称です。
京都の老舗商店のご主人や、祇園周辺で長年お商売をされている方に話を聞くと、「毎年えべっさんにはお参りするのが当たり前」という言葉が自然に出てきます。特に1月9日〜11日の「十日ゑびす大祭」の時期には、普段は静かなこのエリアが一転して大変な賑わいを見せます。
祇園や東山エリアの飲食店、呉服屋、土産物店など、さまざまな業種の方々が商売繁盛を祈願するため年に一度必ず顔を出す場所。それが地元の人間にとっての「えべっさん」なのです。
十日ゑびす大祭をはじめ年間を通じて多彩な祭事が行われる
京都ゑびす神社の魅力は、初詣や十日戎の時期だけに限りません。年間を通じて祭事が行われており、いつ訪れても何かしらの雰囲気を感じられる神社です。
主要な年間行事を簡単に整理すると、1月の十日ゑびす大祭、10月の二十日ゑびす大祭(ゑびす講)が二大祭事として位置づけられています。また、都七福神めぐりの参拝地としても知られており、正月期間中は特別な朱印や授与品も用意されます。
「十日ゑびす大祭」だけを目当てに訪れる方が多いですが、秋の二十日ゑびすも風情があり、混雑を避けたい方には実はこちらの方がゆっくり楽しめます。
京都ゑびす神社の歴史と由緒
栄西禅師と恵美須神の深いつながり
京都ゑびす神社の創建に深く関わった人物が、臨済宗の開祖として知られる栄西禅師(えいさいぜんじ)です。栄西は日本に禅宗と茶をもたらした人物として有名ですが、神社の創建にも関与しているというのは、意外と知られていないことかもしれません。
建仁2年(1202年)、栄西が建仁寺を開創した際に、その鎮守として恵美須神をお祀りしたのがこの神社のはじまりとされています。もともと建仁寺の守護神として祀られていたことから、禅僧と商売の神様という一見不思議な組み合わせが生まれました。
建仁寺と京都ゑびす神社は今も隣接しており、両方をあわせて訪れることで創建当時のつながりを実感できます。
現在地への移転と社の変遷
創建当初は建仁寺の境内に近い位置にありましたが、その後、現在の場所(大和大路通四条下ル)に移転しています。移転の経緯については詳細な記録が少ない部分もありますが、少なくとも江戸時代には現在地に社が構えられていたことが分かっています。
京都の街は、応仁の乱(1467〜1477年)や幕末の戦火など、幾度となく大規模な焼失を経験しています。ゑびす神社も例外ではなく、社殿は何度か建て替えを繰り返してきました。現在の社殿は比較的新しいものですが、祭祀の伝統や御神体は連綿と受け継がれています。
現在の京都ゑびす神社の住所は「京都市東山区小松町125」で、四条大橋から徒歩約5分ほどの場所にあります。祇園の中心部から歩いてすぐという立地も、商業エリアの守護神としての役割を象徴しているように感じます。
七福神のなかで唯一の日本出身の神・えびす様とは
えびす様(恵比寿神・恵美須神)は、七福神のメンバーの中で唯一の日本出身の神様です。七福神の他のメンバー(大黒天、毘沙門天、弁財天など)はインドや中国に由来する神様ですが、えびす様だけが日本固有の神です。
えびす様のルーツにはいくつかの説があります。最も広く知られているのは、「イザナギ・イザナミの子、蛭子神(ひるこのかみ)」とする説と、「大国主命の子、事代主神(ことしろぬしのかみ)」とする説です。右手に釣り竿、左手に鯛を抱えた姿は誰もが思い浮かべるおなじみの姿で、漁業の神としての側面から商売繁盛の神へと信仰が広がっていきました。
「耳が遠いため、参拝の声が聞こえにくい」という言い伝えも有名で、これが後述する「えびす様の肩たたき」という参拝作法の由来になっています。神話と参拝作法がつながっているのも、えびす様を信仰する文化の面白いところです。
京都ゑびす神社の見どころ・境内ガイド
二度参りとえびす様の肩たたきでご利益をいただく参拝作法
京都ゑびす神社には、他の神社とは少し異なる独特の参拝作法があります。「二度参り」と「肩たたき」です。
まず「二度参り」とは、正面の本殿でお参りした後、本殿の右側(向かって右)に回り込み、板戸をコンコンと叩きながらもう一度お願いごとをするという作法です。これはえびす様が耳遠いために「正面だけでは聞こえないかもしれないから、横からもお声がけする」という意味合いがあります。
「二度参り」はただのお遊びではなく、京都ゑびす神社に古くから伝わる正式な参拝作法です。知らずに正面だけ参って帰ってしまう方も多いので、ぜひ覚えておいてください。
「肩たたき」というのも同じ発想からきており、えびす様の像や社の壁面を手でそっと叩いてお願いするしぐさのことです。地元の方が慣れた手つきで板戸を叩いている様子は、初めて見ると少し驚くかもしれませんが、これが京都ゑびす神社らしい光景のひとつです。
二の鳥居の「運だめし」で運試し
境内に入って二の鳥居をくぐった場所に、「運だめし」のスポットがあります。鳥居の横には小さな穴や的のようなものが設けられており、そこに小銭を投げ入れることができます。
小銭を見事に穴に入れることができると「運が開ける」とされており、十日ゑびす大祭の時期には多くの参拝者が列をなして試みる人気スポットです。
実際のところ、何度やっても入らない人もいれば、あっさり1発で入れてしまう人もいます。「どうせゲームでしょ」と思って試してみると、案外真剣になってしまうのが不思議なところ。参拝前のちょっとした楽しみとして、ぜひ挑戦してみてください。
笹のはじまりの地・吉兆笹発祥の謂われ
えびす信仰と切っても切り離せないのが「吉兆笹(きっちょうざさ)」です。えびす様のご利益を受けた縁起物を結びつけた笹飾りですが、この吉兆笹の発祥の地が京都ゑびす神社だとされています。
もともとは漁師がえびす様に大漁を祈願するため、海藻を竿(釣り竿に見立てた笹)に結びつけたことが始まりだという言い伝えがあります。その後、商業が発展するにつれて「商売繁盛の縁起物」として広まり、現在のような形になっていきました。
京都ゑびす神社が「笹発祥の地」とされることは、授与品コーナー近くにも説明書きがあります。参拝の際にぜひ確認してみてください。笹ひとつとっても歴史の深さが伝わってきます。
財布塚・名刺塚など境内に点在する摂社めぐり
京都ゑびす神社の境内は、全体的にそれほど広くはありませんが、歩いてみると小さな摂社や石碑がいくつも点在していることに気づきます。なかでも特徴的なのが「財布塚」と「名刺塚」です。
財布塚は、役目を終えた古い財布を供養するためのもの。名刺塚は商売の縁をつないでくれた名刺への感謝を込めて供養する場所です。商売の神様を祀る神社ならではの設えであり、こうした細かな配慮が商人たちから長く愛されてきた理由のひとつではないでしょうか。
境内では他にも、大国主命(大黒様)を祀る大国社、天照大神を祀る内院など、複数の摂社・末社を巡ることができます。狭い境内ながら見どころが凝縮されており、ゆっくり歩いても15〜20分程度でひと通り回れるでしょう。
授与品・お守り・縁起物「福笹」と「人気大よせ」の種類と値段
京都ゑびす神社の授与品は、十日ゑびす大祭の時期と通常時で少し内容が変わります。以下に主なものをまとめました。
| 授与品名 | 主な特徴 | 目安の初穂料 |
|---|---|---|
| 福笹(小) | えびす様のご利益が宿る笹。縁起物の小物を付けて授かる | 1,000円前後〜 |
| 福笹(大) | 店舗や事務所に飾る大きいサイズ | 3,000円前後〜 |
| 吉兆笹 | 縁起物(吉兆)が豊富に結びつけられた笹飾り | 5,000円〜 |
| 人気大よせ | 商売繁盛の縁起物。一年間飾るお守り的存在 | 1,000円前後〜 |
| えびすお守り | 持ち歩き用の小さなお守り | 500〜800円程度 |
| 御朱印 | 通常朱印・都七福神専用朱印など複数あり | 300〜500円 |
初穂料(値段)については毎年変動することがあるため、参拝前に神社の公式情報を確認することをおすすめします。あくまで目安としてご参照ください。
「人気大よせ(にんきおおよせ)」という名前は初めて聞く方も多いかもしれません。「人気」とは「人の気」つまり人が集まる活気のことで、商売繁盛に通じる縁起物として古くから親しまれています。福笹と同様に一年間店舗や自宅に飾るものです。
福笹に付ける縁起物(吉兆)は、熊手・小判・打ち出の小槌・俵など複数の種類から選べます。好みや予算に応じて組み合わせを選べるため、贈り物としても喜ばれます。十日ゑびす大祭の時期には専用の授与所が設けられ、巫女さんが丁寧に説明しながら授けてくれますので、初めての方でも安心して選べます。
京都ゑびす神社の主なお祭り・年間行事
十日ゑびす大祭(初ゑびす):宵えびす・本えびす・残り福の3日間
京都ゑびす神社で最も有名な行事が、毎年1月9日〜11日に行われる「十日ゑびす大祭」(初ゑびす)です。この3日間は周辺道路が歩行者天国となり、屋台も軒を連ねて、普段の静けさとはまったく異なる祭り一色の賑わいになります。
| 日程 | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1月9日 | 宵えびす(よいえびす) | 祭りの前夜祭にあたる。福娘の授与も始まる |
| 1月10日 | 本えびす(ほんえびす) | 最も賑わいが大きい当日。参拝者・屋台が最多 |
| 1月11日 | 残り福(のこりふく) | 「残り福もたっぷりある」として人気。比較的ゆっくりお参りできる |
3日間の中で最も参拝者が多いのは10日(本えびす)の昼間で、待ち時間が30分〜1時間以上になることもあります。混雑を避けたい方は、9日の夜(宵えびす)や11日の午前中(残り福)がおすすめです。
「残り福もたっぷりある」という考え方は、えびす信仰ならではの大らかさを感じさせます。「当日に来られなくても大丈夫」という温かさが商売人の心に響くのかもしれません。
十日ゑびす大祭の期間中は、福娘(ふくむすめ)と呼ばれる女性が吉兆笹を授けてくれる特別な光景が見られます。京都ゑびす神社の十日ゑびすならではの風物詩です。
二十日ゑびす大祭(ゑびす講):10月の例大祭の見どころ
1月の十日ゑびすに比べると知名度は低いですが、10月20日に行われる「二十日ゑびす大祭(ゑびす講)」も京都ゑびす神社の重要な祭事です。「ゑびす講」はもともと商人が秋の収穫期に商売の無事を感謝して行う行事で、江戸時代には全国各地の商家で盛んに行われていました。
現在も10月20日前後には神事が執り行われ、参拝者に甘酒が振る舞われることもあります。1月の大混雑と比べると落ち着いた雰囲気の中でお参りできるため、じっくり境内を歩いて摂社めぐりや御朱印集めをしたい方には秋の参拝がとくにおすすめです。
秋の東山エリアは紅葉シーズンとも重なり、建仁寺や安井金比羅宮と合わせて歩くとたいへん充実した半日コースになります。
都七福神めぐりと京都ゑびす神社の位置づけ
「都七福神めぐり」とは、京都市内にある七福神を祀る7社寺を巡るお参りのことです。日本最古の七福神めぐりとも言われており、正月期間中を中心に多くの参拝者が訪れます。
| 神様 | 社寺名 | ご利益 |
|---|---|---|
| 恵比寿神 | 京都ゑびす神社 | 商売繁盛・福徳 |
| 大黒天 | 松ヶ崎大黒天 | 財福・出世 |
| 毘沙門天 | 東寺(教王護国寺) | 厄除け・必勝 |
| 弁財天 | 六波羅蜜寺 | 芸能・財運 |
| 福禄寿 | 赤山禅院 | 延命・招福 |
| 寿老人 | 革堂(行願寺) | 長寿・家庭円満 |
| 布袋尊 | 萬福寺 | 諸縁吉祥・家庭円満 |
都七福神めぐりでは、各社寺で専用の「大護符(色紙)」に御朱印を授けていただけます。正月1月中は専用の朱印色紙が用意されており、すべて集めると七福神全員がそろった立派な色紙になります。
京都ゑびす神社は七福神めぐりのスタート地点として選ばれることが多く、地理的にも四条烏丸や祇園からアクセスしやすい場所にあります。他の6社寺は市内各所に点在していますので、車や市バスをうまく活用しながら一日かけて巡るのが一般的です。全7社寺を一日で回り切るのはなかなかの体力勝負ですが、それもひとつの醍醐味といえるでしょう。
京都ゑびす神社のご利益と参拝方法
商売繁盛・家内安全・漁業守護など主なご利益
京都ゑびす神社のご利益として最もよく知られているのは「商売繁盛」ですが、えびす様が本来持つご利益はそれだけではありません。
– 商売繁盛・福徳円満(商業・飲食業・サービス業など幅広い業種に)
– 家内安全(家族の絆や安心を守る)
– 漁業守護・海上安全(えびす様の漁師神としての側面から)
– 縁結び・縁起全般(良い縁を引き寄せる)
「商売をしていないからえびす様とは縁がない」と思う必要はまったくありません。家内安全や縁起全般のご利益もあり、地元では家族揃って参拝する方も多くいます。
正しいお賽銭の投げ方と参拝手順
京都ゑびす神社は二礼二拍手一礼の基本参拝作法に加え、独自の作法があります。順番を整理すると以下のとおりです。
- 鳥居をくぐる前に一礼し、境内に入る
- 「運だめし」(二の鳥居横)を試す(任意)
- 手水舎で手を清める
- 正面本殿でお賽銭を納め、二礼二拍手一礼でお参り
- 本殿右側に回り込み、板戸をやさしくコンコンと叩きながら再度お願いする(二度参り・肩たたき)
- 授与所で福笹や御朱印を授かる
「二度参り」の板戸たたきは、正面から向かって右側の建物の壁面・板戸の部分です。初めて行く方は周囲の参拝者の様子を見ればすぐ分かります。
お賽銭は特に決まった金額はありませんが、「五円(ご縁)」や「二十五円(二重のご縁)」など縁起を担いだ金額を選ぶ方が多いです。神社によっては「お賽銭は投げないように」とされているところもありますが、京都ゑびす神社では賽銭箱への投げ入れが一般的です。強く投げすぎてしまうと失礼にあたるので、そっと丁寧に投じるのが基本です。
福笹・吉兆笹の授かり方と飾り方
福笹・吉兆笹を授かる場合は、授与所(十日ゑびす大祭期間中は境内の専用ブース)で申し込みます。まず笹を選び、続けて付ける吉兆(縁起物の小物)を選ぶ流れです。
笹の大きさと吉兆の種類によって初穂料が変わります。予算と飾る場所の広さに合わせて選ぶのがよいでしょう。店舗入口や事務所の神棚近くに飾ることが多く、飾り方に特別な決まりはありませんが、目線より高い場所・清潔な場所に飾るのが一般的です。
福笹は一年間飾った後、次の年の十日ゑびすの際に「古笹納所」に返納するのがしきたりです。境内に返納場所が設けられていますので、忘れずに持参しましょう。そのまま一般ゴミとして処分するのは避けた方が良いとされています。
京都ゑびす神社の基本情報・アクセス
住所・拝観時間・拝観料金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 京都ゑびす神社(きょうとゑびすじんじゃ) |
| 住所 | 京都市東山区小松町125 |
| 通常参拝時間 | 9:00〜17:00(年中無休) |
| 十日ゑびす大祭期間 | 1月8日〜12日頃(早朝〜深夜まで延長あり) |
| 拝観料 | 無料 |
| 電話番号 | 075-525-0005 |
拝観料は無料ですので、通りかかったついでに立ち寄ることも気軽にできます。ただし、御朱印の授与や授与品の受け取りは授与所の開いている時間内に限られますので、遅い時間に訪れる際はご注意ください。
十日ゑびす大祭の期間中は開門時間が早朝から深夜まで延長されます。正確な時間は毎年変わるため、参拝前に公式サイトや電話で確認するのが安心です。
神社境内は基本的にいつでも入れるつくりになっていますが、夜間はほぼ人がいなくなり、授与所も閉まります。「お参りだけなら夜でも可能」という感覚で訪れる方もいますが、御朱印や授与品を希望する場合は日中の参拝が基本です。
電車・バスでのアクセス方法
京都ゑびす神社は、四条烏丸・京都駅・祇園四条など主要エリアからアクセスしやすい立地にあります。
– 京阪電車「祇園四条駅」から:徒歩約7〜8分(大和大路通を南へ)
– 阪急電車「京都河原町駅」から:徒歩約10分
– 市バス「四条京阪前」バス停から:徒歩約5〜6分
– 市バス「東山安井」バス停から:徒歩約3〜4分
公共交通機関を使う場合は、京阪「祇園四条駅」からのルートが最もわかりやすくおすすめです。
大和大路通を南に向かうと、右手に「京都ゑびす神社」の案内板や朱色の鳥居が見えてきます。初めて訪れる方でも迷いにくいルートです。
十日ゑびす大祭の時期は周辺道路が混雑し、公共交通機関も大変込み合います。少し時間に余裕をもって移動するようにしましょう。
駐車場情報と周辺マップ
京都ゑびす神社には専用の参拝者用駐車場はありません。周辺の有料駐車場を利用することになりますが、祇園・東山エリアは全体的に駐車場が少なく、料金も高め設定のところが多い傾向があります。
十日ゑびす大祭の期間中は周辺道路が一部交通規制されることがあり、車でのアクセスは非常に困難です。この時期は迷わず公共交通機関を使うことを強くおすすめします。
通常時に車で訪れる場合は、四条大橋周辺や大和大路通沿いのコインパーキングを活用するのが現実的です。周辺スポット(建仁寺・安井金比羅宮など)と合わせて半日観光するなら、京都駅や四条烏丸付近に車を停めて、バスや徒歩で移動する方が時間的にも費用的にも効率的といえます。
京都ゑびす神社周辺のおすすめ観光スポット
建仁寺:日本最古の禅寺で風神雷神図を鑑賞
京都ゑびす神社からほぼ隣接する場所にあるのが、臨済宗建仁寺派の大本山・建仁寺です。先に述べたとおり、京都ゑびす神社と創建のつながりがある寺院でもあります。
建仁寺は「日本最古の禅寺」と称されており、俵屋宗達が描いた国宝「風神雷神図屏風」(複製展示)や、法堂の天井に描かれた「双龍図」(小泉淳作作)が有名です。
境内の庭園「〇△□乃庭」と「潮音庭」は、四季を通じて美しい景観を見せてくれます。特に紅葉の時期(11月中旬〜下旬)は息を飲む美しさで、京都在住の筆者も毎年足を運ぶほどです。拝観料は大人800円ほど(変更の可能性あり)。京都ゑびす神社の参拝とセットで訪れれば、濃密な半日コースが完成します。
六道珍皇寺:冥界への入口として知られるパワースポット
建仁寺から徒歩数分の場所にある六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)は、「六道の辻」と呼ばれる場所に建つ寺院です。平安時代には現世と冥界の境界とされた場所で、小野篁(おののたかむら)が夜な夜な冥界に通ったという伝説が残っています。
「冥界への入口」という表現はやや怖く聞こえるかもしれませんが、実際の境内は落ち着いた雰囲気で、重要文化財の薬師如来像や「迎え鐘」が見どころです。
毎年8月の「六道まいり」の時期には先祖の霊を迎えるため多くの参拝者が訪れ、深夜まで賑わいます。ゑびす神社とは対照的な「あの世とのつながり」を感じさせる場所であり、同じ東山エリアにこれだけ異なる個性の場所が共存していることが、京都の奥深さといえるでしょう。
安井金比羅宮:縁切り・縁結びで有名な祇園の神社
「縁切り神社」として全国的に知名度が急上昇しているのが安井金比羅宮(やすいこんぴらぐう)です。京都ゑびす神社から徒歩5〜6分の場所にあり、境内の「縁切り縁結び碑(えんきりえんむすびのひ)」はSNSでも頻繁に話題になっています。
穴の開いた大きな石碑を表からくぐって縁を切り、裏からくぐって良縁を結ぶという参拝方法が独特で、平日でも若い参拝者を中心に多くの人が訪れます。「縁切り」というと怖いイメージがありますが、悪縁を断ち切り良い縁を引き寄せるという意味合いで、人間関係の整理・体の病気との縁切り・仕事上の悪縁切りなど幅広い目的で参拝される方がいます。
ゑびす神社で「商売繁盛」を祈願し、安井金比羅宮で「悪縁切り」をお願いする、という参拝コースを組む方も少なくありません。
八坂神社・清水寺:徒歩圏内で巡れる京都を代表する名所
京都ゑびす神社から少し北に歩けば、祇園の象徴・八坂神社(やさかじんじゃ)に至ります。四条通を西から東に歩いてきた突き当たりに朱色の西楼門が見える光景は、京都を代表する風景のひとつです。
八坂神社は24時間参拝可能で、初詣や除夜の参拝でも有名です。ゑびす神社参拝のついでに立ち寄る場合も、特に時間を気にしなくて良いのが助かります。
清水寺はゑびす神社から徒歩20〜25分ほどかかりますが、東山の坂道(産寧坂・二年坂)を歩く道中も魅力たっぷりです。石畳と京町家が続く風景は、外国人観光客にも絶大な人気を誇ります。ゑびす神社から建仁寺・安井金比羅宮・八坂神社・清水寺を結ぶルートは、東山観光の定番コースとして完成度が高く、地元民からも「これだけ回れば十分」と太鼓判を押せる内容です。
まとめ:京都ゑびす神社を訪れる前に知っておきたいポイント
京都ゑびす神社は、800年以上の歴史を持つ日本三大えびすのひとつです。商売繁盛の神様として広く知られながら、家内安全や縁結びのご利益もあり、地元の人間にとっては「特別なお参りの場所」として長く愛されてきました。
初めて訪れる方がとくに覚えておきたいのは「二度参り」と「肩たたき」という独自の参拝作法です。正面でのお参りだけで終わらず、本殿右側の板戸をそっと叩きながら再度お願いする。この作法を知っているかどうかで、参拝の充実感がずいぶん変わってきます。
混雑時期は1月9日〜11日の十日ゑびす大祭期間中で、特に10日の昼間は非常に込み合います。ゆっくり参拝したい場合は9日の夜か11日の午前中、または秋の二十日ゑびす大祭(10月20日前後)を選ぶのがおすすめです。
アクセスは京阪「祇園四条駅」から徒歩7〜8分が最も便利で、近隣の建仁寺・安井金比羅宮・八坂神社・清水寺と組み合わせた東山散策コースとしても完成度の高いエリアです。
授与品の福笹・吉兆笹は授与所で直接選べますが、前の年に授かったものは次の十日ゑびすの際に境内の古笹納所へ返納することを忘れずに。細かなしきたりを守りながらお参りすることが、長い歴史を持つ神社との向き合い方として大切なことだと、地元に暮らしながら感じています。
観光で訪れる方にとっても、地元在住で毎年通っている方にとっても、「えべっさん」は単なる観光スポットを超えた存在です。ぜひ一度、あの朱色の鳥居をくぐって、えびす様に会いに行ってみてください。

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